ミュージシャンの確定申告の仕方、クラウド編です。
結構長くなってしまってますが、まずは①、②でお話したように、確定申告の内容を理解して、帳簿をつけて行く事が最初のスタートです。
そしてここからは、最初にちょっと紹介したクラウド会計ソフトについての紹介をしたいと思います。
何度も帳簿をつけましょうとは言っておりますが、やはりミュージシャンの本業は演奏をする事です。
確定申告をすることは、自営業、個人事業主としては義務であるため、必ずしないといけません。
ですが、なるべく経理だったりの作業に時間を取られたくないですよね。。。
その時間を少なく出来れば、もっと練習が出来たり、音楽が聞けたり、レッスンを受けに行けたり、本業に費やす時間を増やすことが出来ます。
本業に時間をかけることによって、より生産的になります。
私はクラウド会計ソフトを導入することによって、恐らく1/10以上は時間が短縮出来ていると思います。
(昔HPでは"経理の手間を1/50に!!"みたいなキャッチコピーもありましたが、正直それくらいの価値はあると思います)
その辺の使い勝手や、どのタイミングで導入したら良いのか?などを僕目線ではありますが、ご紹介致します。
- 白色?青色?
確定申告について調べていると、このキーワードも出てくると思います。
確定申告には、白色申告というのと青色申告、という2種類があります。
ざっくりいうと、
白色の方は簡単な帳簿付けで構わないのですが、控除額(所得から税金が免除になる金額)がありません。
青色の方が、帳簿付けが細かく難しくなるけれど、その代わり控除額(10万~65万)が貰えます。
僕の周りの話にはなりますが、殆どのミュージシャンは白色申告で確定申告をしているようです。
実際私もずっと白色にて確定申告をしておりました。
では、どっちにしたら良いのか??というところを少しお話します。
白色と青色の違いは、控除額があるかないかの差です。
そりゃあった方が良いに決まってますが、帳簿付けが難しくなるので、そこがネックになってしまいます。
あとは、そもそも赤字計上となる場合や、売り上げが少なく控除が必要無い場合などは、白色でも良かったりもします。
帳簿付けに関してちゃんと説明すると、
白色→簡易簿記
青色→複式簿記 ※10万控除の場合は、簡易簿記で可
というやり方で、帳簿付けをしなければなりません。
これもざっくり言ってしまうと、簡易簿記でしたら、家計簿レベルの帳簿。②で紹介したエクセルでの記入程度で十分だと思います。
複式簿記の場合は、銀行口座や現金のお金の移動も記帳しなければならない様な帳簿付けになります。
ある程度簿記の知識があったり、資格を持っている方は、自分で出来るかもしれませんが、複式簿記をちゃんと行うのであれば、会計ソフトを導入するべきだと思います。
またミュージシャンに白色が多い理由の一つとしてですが、数年前までは白色申告で事業所得が300万を超えない人の場合は、帳簿付けをしなくてよかったのです。
要は、所得の少ない人は帳簿付けを免除されていたのです。
殆どのミュージシャンはこれに当てはまってるので、(もちろん私もです。)帳簿付けもせずに、どんぶり勘定での確定申告が当たり前でした。
(正直今でも、殆どの方はその感覚だと思います。)
それが2014年より、白色申告の方も、簡易簿記での帳簿付けが義務付けされました。
ですが、帳簿というのは確定申告の際に提出するものではありません。
なので帳簿の義務化とは言えども、前の感覚や同じやり方で白色申告されている方が殆どであるのも事実です。。。
提出しないのなら、適当で良いじゃん!と思うかもしれませんが、税務署より監査であったり、提出を要求される場合もあります。
また納税というのは、日本国民である以上、法律で決められている義務でもあります。
また最初に戻りはしますが、帳簿というのは自分の収入や収支を把握する為のものです。
その為にもきちんと帳簿をつけて、確定申告に望むのが良いと思います。
- どのタイミングで会計ソフトを導入するべきか?
会計ソフトはダウンロード版で大体1万〜1.5万程度。
クラウド版は大体、年1万程度となります。
となると、還付金がせめて1万を超えた辺りからなら、元が取れるかなぁなんて考えてしまうのは、私だけでしょうか(笑)
それは冗談ですが、会計ソフトを入れるべきタイミングはやはり青色申告をする(要は複式簿記での記帳)を始めるタイミングがいいのでは?と私は思ってます。
上記で※印で書いてましたが、青色申告でも、簡易帳簿での申告も出来ます。(控除額が10万円となりますが。)
ということは2014年以降であれば、白色でやるメリットは何もないと言う事です。国としてもマイナンバー制度を始め、個人事業主には全員青色申告で、きちっとした経理をしてもらいたいと言う考えだと思います。
また青色のメリットはもう一点あって、それは赤字の繰越が出来ると言う事です。
事業を始める初年度が一番初期費用がかかると思います。
例えば事務所を構えたり、ミュージシャンなら教室を作ったり、防音室を作ったりするには、かなりの費用がかかりますよね。
青色の場合だと、赤字計上が3年まで繰り越せるのです。
なので新しく事務所を構えたり、大きな経費がかかる時などは、青色申告への切り替えだったり、会計ソフトを導入するタイミングだったりになるかもしれません。
あと注意しないと行けない点は、青色申告は税務署に青色申告の申込をしなければ出来ません。
また、申込をした次の年からの適応になるのです!!
なので今申込をしても2018年分は白色で、2019年分から青色となります。
どちらにしろ、白色でのメリットは全くなく、簡易簿記でも青色申告が可能な以上、青色申告の申込をまだしてない方はすぐにでもした方がいいかと思います。
- クラウド会計ソフトのメリット
会計ソフトはダウンロード版とクラウド版とあります。
ダウンロード版だと、PCにソフトを入れてそのPCで経理を行わなければ行けません。
これが、クラウド版だと、PCやスマホ、タブレットなどデバイスを選ばず、いつでもどこでもすぐアクセスでき、ちょとした空き時間でも経理を行えたり、確認したりすることが出来ます。
そうすることによって、時間を短縮することができ、より本業に時間を割くことが出来るわけです。
昔、自分で白色でやってた時は、1年間溜め込んだレシートをまずは月ごとに分けて(ほんとは小まめにしてればいいけど大体しない、、、)
それを経費ごとに分類して(ガソリン代がいくら、通信費がいくらなど)、収入と支出が出揃ったら、確定申告書に記入をして、でもどこに書いていいか分からなくて、、
ネットで調べたり、先輩に聞いたりして毎年作っていました(^_^;)
まずそもそも、1年間レシートを溜め込んでいる時点で、月々の収入や支出なんて把握出来ているわけないし、ほんとにズボラな経理でただ確定申告をして、還付金も貰うだけの作業でもありました。
時間もめちゃくちゃかかってます。1年分のレシートを整理するだけでも1日作業です。。
だから、毎年確定申告の時期は憂鬱になっておりました(^_^;)
しかし、クラウド会計ソフトにしてからは、電車の移動中とかでも1~2分で出来ちゃうし、年末の確定申告書も1時間程度で、確定申告書が出来ちゃいます。(初年度でそれくらいなので、2年目からはもっと早いです!!)
- クラウド会計ソフトの仕組み
クラウド会計ソフトは、銀行やクレジットカード、電子マネー、nanacoなどと紐付けをします。
なので、銀行やカードでお金の移動や支払いがあれば、記録をしてくれます。それを経費なのかプライベートでの使用なのかを仕分けするだけです。
経費に仕分けされたものは自動的に帳簿付けをしてくれます。
現金で支払った経費は、自分で手入力も出来ますし、仕分けミスがあった場合は後から修正も簡単に出来ます。
銀行口座との紐付けの場合は、インターネットバンキングの登録が必要ですので、事前に設定をしておきましょう。
なので、クラウド会計ソフトを上手く使うには、なるべくカードや電子マネー等での支払いをすることです。
そうすれば、手入力の手間がどんどん短縮されて行きます。
カードで払えば、いつ?どこで?何の支払いは?などは勝手にデータ入力をしてくれます。
また学習機能もあるので、一度入力をすると、同じところからの支払いの場合、前回と同じ仕分けや、メモ書きなども自動で行ってくれます。
例えば、電話代の支払いがカードで計上されて、1回目で通信費と仕分けをしておけば、次回からは勝手に通信費と仕分けされた状態で計上してくれます。
クラウド会計ソフトを導入する前の準備段階としては、
●各銀行口座のインターネットバンキング登録
●クレジットカードや電子マネーの準備
この2つかなと思います。
また口座やカードや何個でも紐付け出来るので、使う分だけ用意して大丈夫です。
クレジットカードは持ってない方もいらっしゃるかもしれません。
またミュージシャンは中々審査も通りにくかったりもしますよね(^_^;)
楽天カード、Yahooカード、リクルートカード辺りが比較的審査も通りやすく、ミュージシャンでも審査に通りやすいカードだと思います。
ポイントもたまるので、スティックとかの消耗品が買えたりもしますしね!
またネット銀行も今の時代だと便利です。楽天カードを使っている方だと、楽天銀行もあるのであわせて作っておいてもいいかもしれません。
溜まったポイントを、ATMの手数料などにも使えたりします。
- まとめ
3回でまとめるつもりが、長くなってしまったので、もう一回分だけ書きますね(^_^;)
このクラウド編では、
●どのタイミングで導入するのか?
●クラウド会計の仕組み
●クラウド会計ソフト導入前の準備
についてご説明しました。
リンクをちょこちょこ貼ったので、もう見てもらっている方もいるとは思いますが、クラウド会計ソフトについては、
freeeかMFクラウドの2択かと思います。
私自身はfreeeを使ってますが、どちらもお試しで以前使ってみたので、僕なりのレビューとクラウド会計ソフトの使い方などを次回まとめて完結編としたいと思います。
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